保育園の園長ノート

学んだことや思ったことなど、てきとうに書いてます

榊原洋一先生の講演「気になる子どもたち」についてのまとめ1



先日地元の保育団体の定期総会が実施され、その記念講演でお茶の水女子大学の榊原洋一先生が
「気になる子どもたち」という内容でお話をしてくれた。
団体の事務局をやっているため講演の時は舞台裏で雑務を行っていてほとんど内容が聞けなかったが、
ビデオを撮っていたのでそれを見てのまとめその1。
ちなみに前にブログで書いた通り、榊原洋一先生をとても尊敬しているので、
講演が聴けずイラッときていたが、その後の懇親会にもご参加いただけ、
そこでは事務局の特権を生かして(?!)、隣の席に座りためておいた質問にたくさん答えていただきました。


「気になる子ども」という言葉に特別な定義があるわけではないが、実際に以下のような子どもが園にいる。

  • 指示がうまく通らない
  • 集団に入れない
  • 集団行動ができない
  • 衝動的な行動が多い
  • 生活習慣が身についていない
  • 社会的ルールが身についていない
  • 社会的なサインが理解できない、発信できない

このような子どもたちは昔からいたが、
最近になってこのような子どもが以下のような要素により注目されるようになった。

  1. 少子化により親・保育者が、子どもたち一人一人に関心が向くようになった。
  2. 実際にこのような子どもが増えた気がする
  3. 気になる子どもが生まれ育った環境だけでなく、生まれつきこのような子どもがいるということが心理・医学的に明らかになった。

参考:岡田直子氏による「幼児期でちょっと気になる行動」
[集団で]

  • 落ち着きがない
  • 友達とのトラブルが多い
  • ものをなくしやすい
  • 集団から離れがち
  • 友達と遊びにくい
  • すぐ泣く
  • 話すが会話がずれる
  • 不器用

[家で]

  • 近所の子と遊ばない
  • 好き嫌いが多い
  • 親以外の大人を避ける
  • 気分が変わりやすい
  • わがまま勝手
  • 生活リズムが崩れやすい
  • 同じことを繰り返したがる
  • 行儀しつけが身につかない


そして、心理・医学的に明らかになるにつれて「発達障害」という言葉が使われるようになってきた。

「発達障害」という言葉は1960年頃から使われてきた。
ただその頃の多くは知的障害・肢体不自由の子どもに対して使っていた。
※研究が進むにあたり発達障害という概念の適用範囲が広がった


文部科学省が2003年に普通学級で実施した全国調査で6.3%の子どもに
発達障害の行動特性が見られることが分かった(ADHD:2.5%・LD:3%・PDD:1%)。
アメリカでは「特別なニーズをもつ子ども」は15%
ちなみに日本では「問題児」などと言われるが、「問題児」は大人の目から見ての立場


特別支援教育の対象の概念図

文科省は表にあるように特別な支援が必要な子どもは1.86%(多くが軽度の知的障害)として
特別支援教育の制度をつくってきた。
ところが2003年調査でさらに6.3%の子どもに何らかの対応が必要だと分かった。

そのため文科省は下記のようないろいろな取り組みを行った。

  • 特別支援教育に関する校内委員会の設置
  • 実態把握
  • 特別支援教育コーディネーターの指名
  • 関係機関との連携を図った「個別の教育支援計画」の策定と活用
  • 「個別の指導計画」の作成
  • 教員の専門性の向上

特別教育の推進について(文部科学省通知)

子どもをめぐる支援者
[教師・保育士][特別支援教育コーディネーター]
[巡回相談員・スクールカウンセラー][保護者][支援員][養護教員]

しかし、気になる子どもへの対応は小学校に入ってから始まるのではなくもっと前から必要

発達障害の子どもの特徴は、家庭・園・地域などすべてで現れる
→生まれつきだから場所を選ばない
つまり、家庭・園・地域すべてでその対応が求められる

特別支援のステップ

  1. 気づき・診断 ←障害の理解
  2. 告知 ←保護者の啓発
  3. 対応 ←個別支援の知識と技術・支援体制つくり

このステップを踏むためにはたくさんの人が関わらなくてはできない。



この後ADHD・PDDなどについての説明が続く→まとめ2で書きます



今回の講演の内容は、

脳科学と発達障害―ここまでわかったそのメカニズム (シリーズCura)

脳科学と発達障害―ここまでわかったそのメカニズム (シリーズCura)


をコンパクトにまとめ、保育士向けにお話してくれた感じ。